2012/12/22実施 ゾンネタール50mmf1.1 と 有力レンズ比較
(2012/12/22 Sonnetar 50mmf1.1 compares to other best lenses)
MS Optical R&Dのゾンネタールは50mmf1.1を信じられないくらいコンパクトなボディで実現した「夢のレンズ」です。
描写も極めて優秀で、派手さを抑えた落ち着いた写真を与えてくれます。
一方で、使用している際に時々ボケが放射状に流れることがあり、気になっていました。鏡胴のサイズからしてやむを得ない現象なのかもしれない
ですが、少し他のレンズとの比較で検証してみることにしました。 その結果は?
評価
@ピント部分のシャープさはどれも優秀。
Aボケは、ダブルガウス構成のプラナー、セプタック、キネタールが明確に球面収差補正による2線ボケが見られるが、キネタールは中でもコマ収差
によるボケの流れが顕著である。
キネタールは被写体の位置関係によっては極めて2線ボケの少ない綺麗なボケを見せることも多いだけに以外な結果となった。
セプタックのボケは輪郭が明瞭な、綺麗な円形を示している。
プラナーは輪郭はあるものの、柔らかいもので、円形も崩れず美しいボケ味である。
ノクチルックスはここでも非球面の特色を如何なく発揮しており、全く輪郭が見えない(2線ボケ皆無)最高のボケを示している。
Bゾナー構成のエルノスターとゾンネタールでは2線ボケは顕著ではない。
しかし、エルノスター、ゾンネタールともにコマ収差と非点収差によるボケの崩れが見られ、エルノスターは近距離の洗濯バサミの作例で大きくボケの
形を崩している。
ゾンネタールのボケの崩れはエルノスターほど崩れは大きくないものの、放射状に揃った流れがあり、ボケ自体が大きいf1.1開放よりも、f1.4でボケが
収束しかけたあたりでむしろ流れが顕著になる。場合によっては、方向性が揃っている分、エルノスターよりも流れ方が気になる場合があるので、
撮影にコツが必要と思われる。
C分析的には以上のようになるが、では洗濯バサミ画像の全体画像を見て、自分的に「ええなあ」と感じてしまうのが、セプタックであり、
エルノスターのように特徴のある画像であったりする。これもまたレンズ沼の面白いところでありましょう。