The Amateur Photographer    September 25th, 1929

A f/1.5 for Hand Cameras                          日本語訳

 ”The amateur photographer“ ‘In the shop window’ 

 「ハンドカメラ用のf1.5レンズ」 1929年9月25日

  豪華なお道具を好む写真家の興味を引く小さなカメラ=f1.5レンズ付のハンドカメラが最前線に登場する。それはライツ氏製造の「ライカ」カメラで、かの有名なルドルフ博士設計による注目すべきメイヤー社のf1.5プラズマートが装着されている。価格はスプール3本つきで39ポンドであり、もし貴方が賢くもキャリングケースを共に購入するならば、25シリングで手に入る。

  「ライカ」カメラについては今更説明する必要もないだろうが、カメラに豊富な資金をかけ携帯性を求める人たちの間で着実に実績を上げている。このポケット機器は1回のローディングで標準シネマサイズ(36mmx24mm)36枚分の撮影が可能であり、カメラでは期待できない、むしろ時計といえるレベルの仕上げと洗練さをもって製造されている。

  この優雅なカメラに超ハイスピードのレンズを結びつけるというのは先見の明がある優れた考えである。そしてそれは英国におけるメイヤー社レンズの供給元であるA.O.Roth氏の会社(85, Ringstead road, Catford)で行われる。

  「ライカ」カメラはシネマサイズのフィルムを採用しているため、これに適正にフィットするメイヤーレンズはキノ・プラズマートKino-Plasmat 1+5/8インチレンズである。このレンズは極限の解像力を必要とする多くのフィルムのプロにすでに使われている。焦点リングは「無限大 30ft, 15,9,6,4,3ft」と刻まれており、絞りリングには「f1.5, f2, f2.8, f4, f5.6, f8, f11」となっている。

  このカメラは決して初心者や、洗練されていないカメラマンの持ち物ではない。しかしながら一方でこのカメラは、自分がなにをやっているか自覚している人間、どんな露出を与えなければならないか知っている人間、そしてf1.5がf4.5の9倍もの明るさを与えてくれることを認識している人間、のための真のポケットカメラである。

      ----− 略 --------

  なお、ライカカメラは標準のエルマーElmar50mmf3.5からのレンズ交換式にはなっていないため、このプラズマートf1.5レンズをライカカメラに装着するためには特別なマウント調整が必要である。( 補足:ライカがフランジを統一してレンズ交換式となったのは1930年のライカC型から)