Makro-Plasmat (マクロ・プラズマート) 5cm(50mm) f2.7
 

Lens Data

Lens Unit

Lens Photo

発売:1930年代
構成:5群6枚
最短撮影距離:1m
重さ:175g
フィルター:24mm


Sales starts: 1930's
Constitution: 5 groups 6 lenses
Shortest photographing distance: 1m
Weight: 175g
Filter: 24mm

Lens Impression

35mm判オールドレンズの中でも非常に希少で、高額となっているレンズです。
このレンズの特徴といえば、はなんといってもまずその形状でしょう。キノコのような形状と前面の文字の調和が素晴らしく、究極のレンズデザインと言っても過言でないと思います。ニッケルの鏡胴と沈胴の仕組みなど、基本はライツのエルマーをベースにしているものと想定されますが、絶妙な曲面と傾きの配置が絶品です。

同じPlasmatですが、Kino-Plasmatとは描写の傾向は全く異なります。実際に作例を見比べていただければと思います。
Kino Plasmat は名前の通り元来ムービー用に開発されたレンズで、1920年代初頭の映画産業が無声映画からトーキーに変革していく中で騒音の大きい明るい光源が使用できなくなったために、急遽大幅に開放f値の明るいレンズの供給が求められたことに対応して作られたものだと考えられます。したがって静止画像ほど画面周辺の画質の低下を恐れず、とにかく画期的に明るいレンズとして作られたものでした。ベルテレのゾナーf1.5の十数年も前です。

一方で、Makro-Plasmatは(時代によるフレアなどを除けば)収差の少ないクリアな描写のレンズを追求したものといえます。レンズ構成もある意味オーソドックスで、開放f値も抑え気味に作られています。

今回のレンズは元来ライカA型に固定レンズとして装着されていたものです。したがってマウント部分にLマウントとフランジはついておりません。その部分をエルマー部品を活用して汎用性を持たせたものですが、もちろんオリジナル部品は残っており、ボディがあれば元に戻せます。

カメラ上部に見慣れないものが付いておりますが、幻の「メゴフレックス」ですね。Elmar用でMakro-Plasmatにはピントの設定が合致しませんが、対物レンズに-1の視度補正レンズを追加して何とか使えるようにはしました。ただ、ウエストレベルの画像は暗く、実用性が高いとはいえません。


 Photos with Makro-Plasmat 50mm
 
2020
Kiba with Hasselblad 907X
(木場公園 Hassel907X)
43.8x32.9ミリのセンサーを持つハッセルブラッド907Xに装着してもわずかしか周辺のけられが発生しないので使いやすかったです。発色が穏やかで、グラデーションの変化も緩やかな優しい描写ですね。
周辺部の収差も徐々に描写の流れが大きくなっていくのがよくわかります。35mmフルサイズでは気づかなかった最周辺での像面の変動もこのサイズの受光素子だとよくわかり興味深いです。
2014
Yokohama Classic Cars
(横浜クラシックカー)
 
有名な赤レンガ倉庫でクラシックカーのイベントが行われていました。お祭りではないので特段の催し物などはないようでしたが、それでも十分に見ごたえがありました。
開放絞りでのハイライトの滲みが美しいですね。

I came upon a Events of Classic Cars at the Red Brick Warehouse in Yokohama. Although no special attraction took place, I could enjoy the show.
Blur around Highlights at full aperture is so beautiful.
2014
Super Yosakoi
(スーパーよさこい)
 

一般的にマクロ・プラズマートは、キノ・プラズマートと比べてシャープで癖のない描写を示しますが、開放では画面全体に柔らかいフレアが見られますね。周辺にぐるぐるボケはありませんが、少し複雑なボケの乱れが見られますね。少し絞ると急速にシャープさが増していきます。今年のスーパーよさこいは、残念ながらあまり天候に恵まれませんでしたが、この数日後にデング熱がここから発生したことは記憶に新しいです。


In general, Makro Plasmat shows more sharp and neutral description than that of Kino Plasmat, but this lens show very tender flare in full aperture. It shows no swirling bokeh, but I can see complex flow of bokeh in peripheral area.
It was not so good weather on the day of Super Yosakoi this year , and you can remember Dengue fever started to spread from here just after several days.


2008
shop window
(ショーウインドウ)

このレンズはなかなか自分のものにできません。1枚目のように開放でピタリとシャープに描写してみたり、ピント合ってないがごとくにボケてみたり。う〜ん奥が深いですね。


This lens is not easily coming into myself. It describes so sharp right in full aperture like the first piece, On the other hand, it can be out of focus easily. Mmm, it is profound.


2007
Walk around
(散歩)

前回の撮影同様、立体感のある描写です。特に人の表情など、メインの被写体を浮き上がらせる性格のレンズですね。
[

There is description with a three-dimensional effect same as the last examples. This lens may have the character in which the main photographic subjects, such as people's expression, are standing out especially.

2007
Mayfair 2
(メイフェア 2)

立体感が非常に感じられる描写です。立体感は開放でも、絞った場合でもいいですね。
前ボケはかなり素直な形をしています。後ボケのざわっとした感覚とあわせると、少し補正過剰なレンズ特性なのかも知れません。

It is the description that a three-dimensional impression is felt very much. It is good in full aperture or in closed condition. Front bokeh has a quite gentle form. Combined with it’s a little noisy bokeh in rear, a characteristic of this lens may be coming from a little excessive correction of spherical aberration.

2007
Maifair 1
(メイフェア 1)

とりあえず試し撮りをしました。レンズが古いせいか、汚れなどのせいか、逆光ではフレアが出ますが、絞るとフレアの量は大幅に減少します。ボケにはぐるぐるは出ないようです。一方で少しざわっとしたボケでもありますので、今後さらによく見て行きたいと思います。メインの画像はシャープです。

I took some photograph for the time being. Because this lens is old or some dirt, the flare comes out in causes such a opposite light, but when the diaphragm is closing, the quantity of the flare will decrease sharply. The Blur is not as swirling. On the other hand the image of bokeh is a little noisy I feel, I shall make further observation more. The main subject show sharp image.

 
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