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レンズ画像
Lens outlook |
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手前左 : 最初期 ライカマウント
製造番号 67万番台 (1934-5年)
手前右 : f1.5 コンタックスマウント
製造番号 99万番台 (1938-9年)
後方左 : 戦後 アルミ ライカマウント改造
製造番号 110万番台 (1949-50年)
後方右 : 戦前 真鍮 エキザクタマウント
製造番号 90万番台 (1938年) |
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特許
Patent |
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1936年6月18日付けになっている非常に読みにくい特許原文。
「4群の明るいレンズ」という定義です。
最前部と最後部に集光の凸レンズを配し、第二群は凹レンズと凸レンズの貼り合わせで、
「第1群に近接させる」ことが示されています。
これによって、第1群集光レンズの直径の1.8倍以下の長さでこの明るさが実現したと、そのコンパクトさと
明るさが謳われています。
(おそらく、貼り合わせのない4群4枚のエルノスターとの比較であえて述べているように思われます。)
また屈折率1.63以上のガラスを使用ということも強調されています。
(1.63というと、アッベの新イエナガラスの最高屈折率レベルと、ランタンガラスの境い目くらいでしょうか)
この構成によって、球面収差、コマ収差、色収差、非点収差が補正されたと、記述されておりますが、
その明快な説明はありません。
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@最初期 ライカマウント
製造番号 67万番台 |
Af1.5 コンタックスマウント
製造番号 99万番台 |
B戦前 真鍮 エキザクタマウント
製造番号 90万番台 |
B戦後 アルミ ライカマウント改造
製造番号 110万番台 |
画像@
photo @ |
開放全体画像
Full Aperture |
f1.9 |
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f1.5
f1.9 |
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f1.9 |
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f1.9 |
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拡大画像
Partial Enlargemen |
f1.9 |
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f1.5
f1.9 |
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f1.9 |
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f1.9 |
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<全体画像>
中央部 : いずれの年代も中央のピント部分は非常にシャープです。f1.5レンズの開放では球面収差の補正不足の影響か、若干のフレアが見られます。
周辺部 : @f1.5レンズ開放では、周辺部に放射状の非点収差が強く見られます。エルノスター変形のレンズ構成でのf1.5mの設計にはやはり限界があるものと思われます。
f1.5の周辺処理には、ゾナーf1.5のように、さらにレンズ(ガラス)を追加して、補正を強化する必要があるます。 f1.9に絞ると、非点収差は急速に収束します。
A開放f1.9のレンズでは、いずれも周辺に弱い円周上の流れ(ぐるぐるボケ)が見られます。 戦後アルミレンズが比較的目立ちますが、キノ・プラズマートなどと比較すれば、問題にならないくらいの弱いものです。
<部分拡大画像>
ボケ : @後ろボケがもっとも素直で美しいのは、f1.5レンズをf1.9に絞った画像です。 一方で、f1.5の開放では、周辺の放射流れのみならず、球面収差も見られます。
A開放f1.9のレンズでは、球面収差補正に伴う2線ボケが多少見られます。
その程度は、戦前真鍮レンズがもっとも顕著で、ついで初期ライカマウント、戦後アルミレンズという順序に思えます。 これは、ある意味、中央部分のシャープネスとの引き換えともいえます。
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画像A
photo A |
開放全体画像
Full Aperture |
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拡大画像
Partial Enlargemen |
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<全体画像>
@f1.5レンズは放射状のボケ、他のf1.9レンズは弱いぐるぐるボケが見られますが、上記同様、戦後アルミレンズが多少目立つ程度で、非常に弱いものといえます。
A左上部に各レンズの特徴がよく見られます。これは、部分拡大画像のパートで触れたいと思います。
<部分拡大画像>
ボケ : @もっとも顕著なのは、f1.5レンズ開放時の放射ボケです。 この形は、非点収差とコマ収差が合体したものに思われます。 ただし、f1.9にわずか絞るだけで、とてもニュートラルでやわらかいボケに「変身」します。
Af1.9レンズでは、戦前真鍮レンズに2線ボケがもっとも強く見られます。 ただし、その分画像全体の締まりは、このレンズが秀でています。
B初期ライカマウントレンズと、戦後アルミレンズは、程よい2線ボケとも言えるかもしれません。
Cf1.9レンズでは、非点収差成分、コマ収差成分ともにあまり強く見られません。 エルノスターのf2.0からf1.9へと、わずかに明るくしただけで抑えたことが、それらの収差の発現を抑えたといえるかも知れません。
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(さらに比較) エルノスター Ernostar 52mmf2.0 4群4枚 (珍しい貼り合わせのない基本構成の個体) |
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<全体画像>
@経年変化のせいか、もしくは8面ある反射面の多さからか、ややフレアの多い画像となっています。
Aオリジナルはシネレンズと推定されるため、最周辺の部分は光量が不足しておりますが、合わせて非点収差によるぐるぐるボケがわずかに見られます。
<部分拡大画像>
ボケ : @フレアに隠れて見えにくいですが、周辺部のボケには球面補正による2線ボケがやや強く出ています。 これは4枚目の木漏れ日のボケでわかりやすいと思います。
プリモプランと比べると、レンズ枚数が少ないことから、収差補正に、より制約があったのではないかと推定されます。
Aコマ収差はあまり観察できません。 輪帯部のコマ収差はダブルガウス型の特徴ですが、トリプレットの発展形であるエルノスターではうまくコントロールできているようです。
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<まとめ>
@プリモプランはいずれの年代の製造であっても、基本的に「中央部は非常にクリアでシャープ」であり、周辺部に現れる収差も、いずれも穏やかなもので、オールドレンズファンには楽しいレベルと考えられる。
第2群を貼り合わせダブレットにして屈折面を増やしたことによって、球面収差のより高度なコントロールができているとも思われる。
A中でも、f1.5開放のレンズは赴きの異なる味わいであり、特にf1.9に絞ったときの描写のニュートラルさは「特筆すべき」ものがある。
B58mmf1.9レンズでは、多少固めでもよりシャープに描写するのが戦前真鍮レンズであり、戦後アルミレンズは初期ライカマウントにも共通するシャープかつ穏やかな味わいを併せ持つ描写となっている。 |
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