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 Futura Frilon 50mm f1.5
 

Lens Data

Lens Unit

Lens Photo

製造メーカー:Futura
設計者:Werner Giesbrech(Schneider)
製造番号:41449
製造年:1954年
レンズ構成:4群6枚 ゾナー分離型(または変形エルノスター型)
重量:173g
最小絞り値:f11
絞り枚数:15枚
最短撮影距離:1m
マウント:ライカスクリューマウント(自己調整)

Lens Impression

Futuraカメラについては、Frilon 70mmの項を参照してください。

50mmレンズには純正のライカマウントもありますが、この個体はFUTURA用のマウントでしたので、ジャンクのRussianレンズの基部を利用して合体させ、ライカ距離計連動で利用できるように加工しました。接合部分の径がほぼぴたりと一致するので、違和感のない外観となっています。非常にコンパクトで軽い仕上がりもなかなかですね。

描写はとても気に入りました。
ひとつの画面にとてもシャープな現代的レンズの側面と、収差を強めに出した描写の両方を見ることができます。そして、その収差の出方も、まったく嫌味を感じない気持ちの良いもので、作例を見ていただくと、あっさりした爽やかな描写を感じていただけると思います。


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Frilon(フリロン)レンズには50mmと70mmの2種類がある。どちらも生産台数が少ない希少品であるが、とくに70mmf1.5は数が少なく市場に出てくる機会も少ない希少度の高いレンズである。
Frilon 50mmf1.5 のレンズ構成は4群6枚である。4群6枚と聞くと変形ダブルガウス型の基本形を思い浮かべてしまうが、しかしこのレンズはダブルガウス型ではない。構成図を見ると、1+3+3のf1.5ゾナー構成の第2群の3枚貼り合わせの中間レンズをなくした、変形エアー・ゾナー型ともいうべき構成である。見方を変えると、エルノスター基本形の最後群を3枚のゾナー後群に置き換えた進化型と言い換えてもよいかもしれない。

しかし、ベルテレがエルノスター
をゾナーに進化させたとき、その1つの大きな要素は前群の空間を屈折率の低いガラスで埋めて反射面を減らすことにあった。Frilonのこの構成は、その反射面を再び増加させたものとなる。もちろんゾナー設計時の1932年と、Frilonの1950年ではコーティング技術も進化しているが、フツーラ 社のコーティングは非常に耐久性が弱いことでも有名である。果たしてこのレンズ構成の目論見は成功したのかどうか?実写で確認したい。

なお、このレンズ構成は、謎のレンズ「ダルマ・クセノン 5cmf1.5」と共通点が多い。


 Photos with Futura Frilon 50mm
 
2015
Nakameguro
(中目黒)
 
中目黒駅から目黒川沿いを代官山方面に向けて散策しました。
作例を見ると、被写体の端正な描写と、周辺部の柔らかな収差の表れ方のバランスが非常に
気持ち良いです。

I walked along Meguro river from Naka-Meguro stations towards Daikanyama.
To see example photos, I feel very confortable from the balance of clean and neat description at the main subject and the expression of tender aberration around peripheral area.